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はじめに
コロナウィルスの影響でご自宅でお仕事や勉強などが増えて自宅パソコンを使う機会が増えてきました。またお父さんのパソコン・お子様のパソコンなど、自宅でも複数台のパソコンを使うことも多くなってきました。皆さんご存じのようにご自宅のパソコンの場合はご自分のパソコンにデータを保管していますが、もしそのパソコンが壊れた時、高い確率でそのデータが失われます。「大した物入っていないから大丈夫」と言われるかもしれませんが、そんな人に限ってお子さんの写真とか結構大事なもの入っています。
そこでNAS(Network Attached Storage:ナスと呼びます。)を使用してパソコンデータのバックアップなどを家族全員で使用できるようにします。USB接続のハードディスクは持たれている方はよくおられますが、USB接続だとそのPCが使っていると他の方は使えないですね?NASはLANケーブルでつながれたハードディスクですので、複数の方が同時に使うことができます。
NASは普通では家族全員が全部のファイルを共有出来てしまいますがパスワード等少々設定は必要ですが、「お父さんだけがアクセス出来る〇〇〇フォルダ」とか作ることは出来ます。
NASの種類
家庭用で使うNASの種類です。
- 市販品のNASを買う
- 自作PCをNASに変更する。
1 市販品を購入するのが一番簡単です。比較的安価で購入でき、システムもわかりやすいです。価格は1万円位からありますが価格が上がるほど高性能・高信頼性となります。業務用途もありますので上は3桁万円とかあります。内蔵されているハードディスクは1台~数台。これも価格により違いますが、家庭用でも予算が許すならば、ハードディスクが2台入って※ミラーリングできるNASをおすすめします。なお家庭用の市販品NASはCPU性能があまり高くないので若干コピーなどの速度が自作PCより遅い場合があります。(なお、市販品のNASの中にはハードディスクが別売りのものもありますのでご注意ください。)
2 自作PCをNASに変更してしまう。今回この方法を説明します。自作PCを使用しますので市販品のNASより高性能となります。使用するOSはXigmaNASというNAS専用のOSを使用します。これはオープンソースのNASシステムですので無料で使用出来て日本語にもほぼ対応しております。
オープンソースのNASシステムは他にも数種類ありますが、最近のNASシステムはどれも高機能になり、かなり推奨スペックが上がっております。自作PCでも15年以上前のものだと少し苦しいかもしれません。
※ミラーリング
同じデータを2台のハードディスクに同時に書き込む方式です。1台が故障してももう一台がデータを保全出来ますので、1台故障したらすぐに故障したハードディスクを交換します。
なお業務用では3台以上使用してより高性能・高信頼性を高める方法があります。
今回のNAS化システム構成
実は元々自作PCですが、NASやLinuxのテスト用に作った機器を使用していますので低コスト・低消費電力・コンパクトな構成です。おそらくですが1.で紹介した市販品NASより高性能になっているとは思います。
CPU | Intel Pentium Gold G5400 3.7GHz | 2Core/4thread |
メモリ | DDR4-2400 8GB×2 | |
マザーボード | ASUS PRIME H310I-PLUS | Mini-ITX |
ハードディスク1 | INTEL SSD 80GB | 起動用 |
ハードディスク2 | そこらに転がっていた4TB×2 | ミラーリング |
電源 | ケース付属品(220W) | |
ケース | マスタードシード(JMAX?) JX-FX300B | 販売終了品 |
NASとしてはまぁまぁ使えるCPUです。SSDは起動用です。本来はUSBメモリなどを使用するのですが、SSDが出始めた初期の物で80GBで3万円位しましたものが余ってましたので起動用に使っています。ケースは昔atomのNASを作った時使っていた物でキューブ型(Mini-ITX)です。もう販売終了してメーカーも今あるかどうかわかりません。組み立て・メンテナンス性はかなり悪いケースでしたが小さいので気にいって使っていました。
NASを構築するに当たって必要な知識など
一般的に自宅のインターネット環境に接続するパソコンやスマートフォンの接続にはIPアドレスという識別番号のようなものがあり、通常は自動的にそのIPアドレスを自動でもらうDHCPサーバーという物を使用します。これは大体インターネットのルーターに仕込まれておりますが、NASやサーバーを自宅のLANに入れる場合、この自動的にもらう番号では番号がその時によって変わる事があるため、固定IPアドレスというものを指定するのが一般的です。
IPアドレス等についてわかっておられたら各IPアドレスを調べます。もしなんの事かわからなかったら飛ばしていただいてかまいません。
- XigmaNASのIPアドレスを決める。
- ルーターのIPアドレスを調べる。
XigmaNASのダウンロードとUSBメモリ書き込み
XigmaNASのインストールにはUSBメモリかCDを使用します。今回は中身が消えても良いUSBメモリを準備しておき、別のパソコンを使用します。
XigmaNASのサイトに行ってダウンロードします。
緑の「DOWNLOAD」ボタンを押します。
一番上の最新版をクリックします。この例では12.2.0.4です。
ここでも最新版をクリックします。この例では12.0.4.8044です。
「XigmaNAS-x64-LiveUSB-GPT-12.2.0.4.8044.img.gz」をクリックします。
もう一つ同じようなMBRというのもありますが比較的新しいPCでUEFIならGPT、BIOSならMBRで良いと思います。
ダウンロードしたファイルはデスクトップにでも置いておきます。
Rufusを使用してUSBメモリに書き込む。
Rufus(ルーファス)のサイトに行ってダウンロードして起動します。(インストールの必要はありません)
消えても良いUSBメモリをパソコンに刺してダウンロードしたファイルをドラッグ&ドロップしてから「スタート」を押します。
データ消去の確認画面。
100%になってこの画面になったら終了です。「閉じる」を押してから、USBメモリの取り外しを行ってからUSBメモリを抜いてください。
XigmaNASをインストールするパソコンの準備
XigmaNASをUSBメモリからインストールする場合、パソコンの起動順番をUSBメモリから起動できるように変更する必要があります。これはマザーボードのメーカーによって方法が違いますのでメーカーの説明書をご覧ください。
方法は2つあります。
- 起動時にブートデバイスを指定して起動させる。
- EUFI(BIOS)画面に入って起動デバイスを変更する。
1.こちらの方が簡単ですが、マザーボードメーカーによって起動するキーが違いますのでマザーボードメーカーの説明書をご覧ください。筆者のAsusのMBではF8キーですのでUSBメモリを刺して電源を入れたらF8キーを連打します。
USBメモリを矢印キーで指定して「ENTER」を押せばUSBメモリから起動します。
2.UEFI(BIOS)の画面に入って起動デバイスを変更します。Asusの場合は「DEL」キーか「F2」です。「起動」メニューからブートデバイスをUSBメモリに変えて「終了」で保存して再起動となります。
次は「XigmaNASでNAS構築2(インストール編)」となります。