最近あまりWindows関連のニュースを見ることが少なくなっていたのですが、Windows11が2021年後半にリリースされるとのニュースが2021年6月24日に発表されました。推測ですが、おそらく冬のボーナス商戦に合わせてWindows11搭載PCが発売されると思います。となるとWindows11は10月頃に正式リリースとなるかもしれません。プレビュー版も開発者用にリリースされたようです。
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Windows10が最終じゃなかったの?
Windows10がリリースされた時、今後ずっとWindows10のままで機能アップデートを行うようなアナウンスがマイクロソフトからあったと思います。ところが知らない間にWindows11の登場です。ちょっと驚きましたが元々多趣味おじさんは「このままWindows10をずっと貫き通す事はないんじゃないか?」と半信半疑でしたので「やっぱりなぁ」という感覚でした。Windows10を導入済みの企業ではショックなアナウンスだと思います。
しかしWindows10ユーザーはハード要件を満たせればWindows11への無償アップグレードが可能という事です。一見、ハード要件はハードルが低いように見えますが、Windows7からWindows10からのアップグレード要件より厳しいです。おそらく元々Windows7がインストールされていたPCが今回のWindows11ハード要件を満たすのは厳しいかもしれません。(なお、6月29日にハード要件が若干緩和される事が決まりました。)
Windows11はどう変わるの?
こちらをご覧ください。
1.ユーザーインターフェースが大幅に変わります。タッチパネルや携帯を意識したデザインに。
2.Android用アプリが動作可能。
3.Windows10で廃止されたウィジェットが復活
4.Microsoft Teamsを統合(zoomのようなMicrosoft版ミーティングソフト)
Windows11 必要ハード要件
こちらをご覧ください。
実はこのハード要件ですが、書いてある事は5年以上前のPCでも動作する位ゆるい設定で書いていますが、実際は割と厳しいハード要件でした。
ご利用中のPCがWindows11で使用できるかチェック出来るプログラム(PC正常性チェック)があったのですが、ほとんどのユーザーで「このPCではWindows11を実行することはできません。」となる厳しいハード要件のため、6/29に一旦ダウンロードが中止され、再調整となりました。もう少しPCのスペックの規制がゆるくなるようです。この記事書いている最中にダウンロード中止となりましたので、せっかく書いた記事がほとんど没になりました。残念ですが、以下は元の必要スペックで記載しています。
システムの最小要件
1.プロセッサ 1 ギガヘルツ (GHz) 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)
2.メモリ 4 GB RAM
3.ストレージ 64 GB 以上の記憶装置
4.グラフィックス カード DirectX 12 互換のグラフィックス / WDDM 2.x
5.ディスプレイ 9インチ以上、HD解像度 (720p)
6.インターネット接続 Windows 11 Home Edition のセットアップには Microsoft のアカウントとインターネット接続が必要です
これを見ると楽勝と思われた方も多いと思います。この時点ではWindows7搭載PCでもクリア出来そうな要件なんですが、「システム要件」を見ると上記に併せて下記の表記があり、いきなり難しくなります。またCPUに関しても、ハードルの高いCPU世代の指定があります。
7.システム ファームウェア:UEFI、セキュア ブート対応
8.TPM:トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0
まずはCPUの最小条件
まず、一番のハードルとなるCPUの世代です。1.の要件は比較的ハードルは低いのですが、実際の要件は以下になります。
・Intel CPU Core-i シリーズは第8世代CPU(※1)
・AMD CPU 2世代Ryzen(※1)
確認方法はWindows10なら「スタートボタン」→「設定(歯車のアイコン」→「詳細情報」で「プロセッサ」の欄を見ます。
(※1)
Intelなら i(3 5 7 9)-4桁または5桁の数字が、8000以上ならOKです。なお、これについては若干緩和される事が決まっています。おそらくcore i(3 5 7 9)-7000クラスもOKになるようです。私が思うに7000と6000はほぼ同じアーキテクチャなので、6000もOKにすれば良いのにと思うのですが、他の要因があるのかもしれません。ちょっと様子見ですね。
なお、表示がこれに当てはまらない場合、以下をご確認ください。(以下の資料は緩和前の資料ですが、今後緩和後に切り替わるかもしれません。)
システム ファームウェア:UEFI、セキュア ブート対応
これは私のサブPCの第7世代CPUのマザーボードでも対応していました。確認方法はWindowsボタンの横の検索窓で「msinfo32」または「システム情報」で検索します。Windowsボタンの横に検索窓の無い方はスタートボタンを右クリックで「ファイル名を指定して実行」から「msinfo32」です。
「システムの要約」で「BIOSモード」が「UEFI」になっていて、その下の「セキュアブートの状態」が「有効」になっていたらOKです。市販のPCでCPUの上記条件がクリア出来ていればおそらくこの通りになっていると思います。自作PCでCPU条件がクリアされている場合、ほぼUEFIでインストールされている場合が多いと思います。対応CPUが搭載されていて「セキュアブートの状態」が「オフ」の場合、UEFI画面で有効に出来ますが、この設定方法はマザーボードメーカーにより違うので割愛します。
なお、このセキュアブートも緩和されるかどうかはわかりません。以下はメインPC(core i7-9700K MB ASUS ROG STRIX Z390-F Gaming{赤})とサブPC(core i7-7700K MB ASUS PRIME Z270A{青})のセキュアBOOT項目です。
※セキュアブートとはWindowsに不正な改変(ウィルス等)が行われたときにWindowsが起動出来なくなるような仕組みです。
TPM:トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0
さて、これも少し難しいですが難しいことはさておき、まずは確認方法から説明します。Windowsボタンの横の検索窓で「tpm.msc」かWindowsボタン右クリックからの「ファイル名を指定して実行」から「tpm.msc」です。「TPMは使用する準備ができています。」となっていれば合格ですがおそらくほとんどの方は「互換性のある TPM が見つかりません」となっているかもしれません。このSSは多趣味おじさんがUEFIを設定後に実行していますので、正しく動作しています。
TPMというのはセキュリティ(暗号化)技術で少し前ならマザーボードにオプションで付けるチップ(部品)だったのですが、最近のPCではUEFI(BIOS)の中に内包しているようです。したがって、UEFIの設定で使用可能にする事ができますが、これもご利用中のマザーボードによっては設定できない可能性もあります。この設定方法もマザーボードメーカーによって違います。またUEFIの設定を誤るとPCが起動できなくなる場合もありますので、もし設定される場合は自己責任でお願いします。もうこの辺はパソコン初心者の方が設定するのはかなり難しいと思います。この辺も緩和してくれたら良いのになぁという気持ちです。
SSは同じくメインPC(core i7-9700K MB ASUS ROG STRIX Z390-F Gaming{赤}
)とサブPC(core i7-7700K MB ASUS PRIME Z270A{青})のTPM設定画面です。同じAdvancedのPCH-FW Configurationの項目ですが、少し項目名が違っています。
NEC製ノートパソコンの場合
第7世代Core-i7(モバイル用)を搭載したノートパソコンを持っていたことを忘れていましたので調べてみました。設定を特に触らなくても
・システム ファームウェア:UEFI、セキュア ブート対応
・TPM:トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0
2つとも有効になっていました。さすがメーカーPC。ただi7-第7世代は後日緩和されてサポート対象になると思いますので、楽しみに待ちたいと思います。
PC正常性チェックを実行する。
ここから「PC正常性チェック」をダウンロードして実行します。と書きましたが、なんとこの記事を書いている最中の2021年6月29日の午後に一旦ダウンロードが中止され「準備中」に変わっています。おそらく足切りが緩和された新しいプログラムが近日中に公開されると思いますので、公開されたら確認してみます。このSSは6/29の午前中にまだダウンロード出来ていた時にメインPCで初回起動時はNGで、UEFIを設定してやっとOKにこぎつけた画面です。
設定前
設定後
サブPCも同じようにUEFIの設定が出来たのですが、このバージョンのPC正常性チェックではCore i7-7700Kはサポート対象外でしたので「実行できます」にはなりませんでした。
アップグレードするの?
MicrosoftさんのOSは豊作時期と凶作時期を繰り返しています。豊作:Windows7 Windows10 凶作:Windows me Windows vistaなどです。今回は時期的には凶作の時期なのかもしれませんが、多趣味おじさんは新しいもの大好きで仕事2割、遊び8割でPCを触っていますので、とりあえず失敗してもアップグレードしてみるつもりです。ただし常用ソフトや接続機器が動かないのなら確実に保留にします。企業ユーザーさんではちょっと様子見かもしれません。また企業ユーザーではアップグレードがWindows10のアップグレードの時より難しくなっています。今回はよほど規制が緩むか、ハードベンダーが簡単設定ツールみたいなものを提供しない限り、Windows10の時のように半強制的にWindows11にアップグレードは出来ないかもしれません。