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フライトシミュレーター用自作タッチミニパネル(その4:ケース作成編)

ブレッドボードで試作して動作確認が取れたらケースに入れるため、ユニバーサル基板に回路を作ります。
とは言っても多趣味おじさんは電子工作も素人です。本格的に勉強したことがないのであまり良い配線じゃないかもしれません。

回路製作のソフトウェアを利用する。

ユニバーサル基板では表に部品を載せて裏に配線します。つまり配線はする時は裏から見るため左右が逆なので間違いやすいのです。
ここでは回路作成ソフトウェアを利用しました。回路作成ソフトウェアでは表に部品と配線を行っても裏も作ってくれます。フリーウェアの回路作成ソフトは何種類かあったのですが、使用するユニバーサル基板の穴数を入れられる「marmelo」というソフトが分かりやすかったので使用させていただくことにしました。その他に「PasS」というものも有名でしたが今更VB6ランタイム必要は懐かしすぎるのでパスしました。

1. 「新規作成」から基板の穴数を入力します。

私の使用したサンハヤト製ICB-505は横:50穴×縦:32穴です。基板端の3方向と1方向に銅箔が貼られていますのでGNDと+5Vに使用しました。

2. 基板上に部品を追加していくのは「オブジェクト」→「部品追加」です。

接続端子はピンヘッドとピンソケットを代用しました。本当は圧着端子を利用したかったのですがアリエクスプレスで発注すると1ケ月以上かかりました。TMPシステムが完全に出来上がってから数週間後に到着しましたので、もう1枚予備で買っていたICB-505に圧着端子で配線しました。ただコネクタの圧着が小さすぎて大変だったのと圧着用工具が必要ですので、あまりおすすめいたしません。

5mm位の端子に圧着しますので結構辛いです。30端子圧着するのに15個失敗しました。

作成した基板のイメージ

作成した基板の配線イメージはこのような感じです。ガチな電子工作者さんにとっては「プッ」と吹き出すような回路かもしれません。ちなみに表面右下に配置しているACアダプタの端子はACアダプタのノイズがNextionの信号線に乗って通信が出来なかったのでACアダプタの使用を諦めています。

こんな回路図でよければ問い合わせメールを頂ければお送りさせていただきます。

蛇足:多趣味おじさんのハンダ付けの腕ははっきり言って下手ですので、現在は結構プリント基板が安く作れるという事を知り、プリント基板を作ってみたかったのでプリント基板作成用CAD(KiCAD)も使ってみたのですが、私の知識と技術では全く無理でした。

実際にユニバーサル基板を製作します。

回路作成ソフトで原案が出来たらそれに基づいてユニバーサル基板を配線します。

ESP32を取り付けるためのピンソケットをはんだ付け

ESP32のピン数は片側19本です。ピンソケットは手で折ると失敗しそうなので20ピン位のところでニッパーで切りました。19ピンのところできっちり切ろうとすると19ピン目が外れてまるまる無駄になる可能性がありますので1ピン多く切るいイメージです

ユニバーサル基板に取付

切ったピンソケットをESP32に取り付けてユニバーサル基板の設計上の位置に取り付けます。これは基板に対してピンソケットを垂直に固定させるためです。ESP32を養生テープかマスキングテープなどで固定すると安心です。

ソケット仮止め

まず、両端の2ケ所×2列をハンダ付けします。このハンダ付けが終わればESP32に余計な熱を与えたくないので取り外してください。

ESP32用ソケットのハンダ付け

19ピン×2列をハンダ付けします。後でピンの横に配線を行いますので、この時のハンダは最小量で結構です。

コンデンサーの取付け

コンデンサーを取付ます。回路ソフトでは立てて記入しましたが、コンデンサーの足を利用して配線するのに届く位置でコンデンサーを置くのですが、ESP32のwifiアンテナ部に干渉しそうだったのでコンデンサーを寝かせて配線しています。

ピンソケット(圧着ソケット)の取付

ピンソケット

圧着ソケット

ピンソケット(圧着ソケット)を取り付けます。ピンソケットなら垂直に立てて養生テープで固定します。端の1本だけハンダ付けをして、ソケットが曲がってないか確認してからもう1本の端をはんだ付けして、5ピンまたは4ピンを取り付けます。なお、圧着ソケットにする場合の4ピンはNextion接続用とNextionにファームウェア転送用の2つ用意します。ファームウェア転送時は反転しますので私はファームウェア転送用はコネクタを180度反転させて付けています。ピンソケットならデータ転送用の黄色・青の2本だけでかまいません。

配線

裏面の配線は5mm~6mmのスズメッキ線を利用します。今はハンダメッキ線というハンダが乗りやすい線があるようなのですが、私は持っていません。
まず簡単な直線を配線します。私は逆作動ピンセットである程度メッキ線を固定しています。挟む力はそれほど強くないのですがこれが意外と便利です。私のはプラモデル用ですが、このアマゾンリンクのものが良さそうです。

直角に曲がる線を配線します。私は曲がりたい位置の1つ手前をハンダで止めてからラジオペンチで曲げますが正しい方法ではないかもしれません。

電源ラインの4本は被膜線を基板の表に這わせています。本当は単線の被膜線が欲しかったのですが買い忘れていましたのでユニバーサル基板用の固い直線の線で代用しました。

配線チェック

配線が終わったら、すぐに接続せずに、ESP32を取付け、とにかく導通・ショートのチェックを行います。やはり怖いのはショートです。隣り合う端子は念入りにテスターでチェックしてください。

ケース穴あけ

ケース加工時の写真はほとんど撮っておりませんでした。申し訳ございません。

1.買ったケースの保護ビニールをはがして、全面にマスキングテープを貼ります。

2.貼ったマスキングテープに穴の位置を正確に製図します。

開ける穴は以下の通り
・操作面にロータリーエンコーダー取付用穴×4
・底面に基板取付用穴×4
・Nextionのケーブルをケース内に入れる穴
・Nextionの角度調整用トルクヒンジ穴×4
・Nextionの角度調整用台座のネジ穴・ケーブル取り出し穴
・後面にUSBケーブル取付穴。私はUSBのコネクタを付けてUSBケーブルを取り外し可能にしたかったのですが、またアリエクスプレスで注文(略)。一応すでに到着しているのですが、ちょっと面倒臭くなって取り付けていません。
穴を開ける位置には裏面もマスキングテープを貼ります。これはドリルで開けたバリを取るためにヤスリ掛けが必要なのですが、その傷防止です。

穴あけのコツ

穴を開ける位置にセンターポンチを打つと穴の位置がずれにくいです。ハンマーなどで打ちます。

大きな穴でもまず2.5mm位の穴を開けてから近い径の穴をあけます。私の手持ちのドリルビットは6.5mmまででしたのでもう少し広げる必要がありますのでリーマーで穴を広げています。(私が使用したロータリーエンコーダーは7mmでした)

液晶用角度調整土台の作成

Nextion(液晶)角度調節用の土台を作ります。最初アルミ板で作る予定でハンドニブラーというアルミ板をカットする工具を買ったのですが、ホームセンターでアルミ板を見ると結構高価だったので安価で加工がしやすいアルミ合板(薄いアルミ板と樹脂との合板)にしました。カッターで切断出来るのはいいのですが、切り口があまり綺麗にならないので失敗でした。実は同じ素材で液晶のベゼル(枠板)を作ったのですが一番時間がかかった割にガタガタになってしまったので没にしました。その後Amazonでアルミ板を検索したらホームセンターで買ったアルミ合板より安かったので完全に失敗でした。

少し切り口が汚いですが、これはカッターでの切断を途中で止めて折り曲げて切断したからです。最後までカッターを使えばもう少し綺麗に出来たかもしれません。



※この写真に写っているACアダプターのコネクタは現在使用しておりません。

組み込み

穴が空いたらバリをヤスリで取り、マスキングテープを剥がして部品を取り付ければ完成です。
ケースのネジを締める前にPCに接続して動作確認してください。
・画面が切り替わらない場合はNextionの黄色・青色ケーブルを確認してください。
・液晶画面左の「More…」から「CONFIGURATION」で「x-plane11」または「ZIBO」を選択して「ACTIVATE」を押します。この2つはx-plane11を起動しなくても確認出来ます。「AUTOPIROT」の画面で4つのロータリーエンコーダーを回して速度・方位・高度・昇降速度の数字が動けば完了です。

最後に

私はある程度工具等を持っていたので15,000円位で収まりましたが工具も用意するとなると結構かかります。でもその価値は結構あると思います。Discman777さんはこのTMPシステムを頻繁に更新されておられますのでメンテナンスが簡単になるようなケースに収めた方が良いと思います。これで結構フライトシムの楽しさが広がりますのでフライトシム好きの方はチャレンジしてみてください。

最後にこのシステムを無償提供いただいたDiscman777さんに感謝いたします。

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